月別アーカイブ: 2025年4月

seitenNEWS~設計~

皆さんこんにちは!

seitenの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計~

ということで、外壁工事における設計の視点とポイントを、実務的に深掘りして解説します。

 

耐久・快適・景観を守る“建物の顔”づくり

外壁工事は、「外観を美しく整える」だけではなく、
建物を雨風・紫外線・気温差などから守る防御の最前線です。

そのため、外壁に関する設計は単なるデザインや仕上げの選定にとどまらず、
機能性・施工性・耐用年数・法令適合性など多くの要素を総合的に検討する必要があります。


✅ 外壁工事における「設計」とは?

建築物の外壁に関する設計とは、以下のような要素を組み合わせて最適な仕様を決定する作業です

設計要素 内容
意匠設計 色・素材・質感・目地などの見た目(美観)設計
構造設計 外壁の強度や風圧・地震への耐力計算
施工設計 取り付け方法・接合部の処理・水切り構造の詳細設計
材料選定 使用する外壁材の種類と性能(断熱性・防火性など)
維持管理設計 メンテナンス性・更新しやすさも考慮
法規適合設計 建築基準法・地域条例・防火地域の規制への適合

✅ 外壁設計で最も重視すべき3つの視点

① 【耐久性】長持ちする素材・工法の選定

  • 雨風や紫外線に常時さらされる外壁は、耐候性・防水性・通気性のバランスが重要

  • サイディングならシーリング材の耐久年数にも注意

  • 塗装仕上げなら、下地処理+適切な塗料の選定(アクリル・シリコン・フッ素・無機など)

📌 長期的な視点で「何年後に再塗装が必要か」「どこが劣化しやすいか」を予測して設計に反映します。


② 【機能性】断熱・遮音・通気性能も設計対象

  • 外壁材には、断熱材の併用・通気層の設計などによって省エネ性能を高める役割も

  • 内部結露を防ぐ「通気構法」は、構造計算とセットで計画する必要あり

  • 都市部では遮音性・防火性(準耐火構造)も重視されます

🧱 機能性が高い外壁設計は、居住快適性・省エネ性・資産価値に大きく関わります。


③ 【意匠性】景観と調和する美しい外観設計

  • 建物の用途や地域の景観に合わせた色彩・質感の選定

  • 外壁の凹凸や素材の切り替えによる立体感・高級感の演出

  • 窓周り・コーナー・バルコニーのディテール設計が印象を左右

🏠 外壁は「建物の顔」。設計段階から“どんな印象を与えたいか”を意識することで、満足度の高い仕上がりになります。


✅ 設計段階での確認・検討項目チェックリスト

項目 チェック内容
建築基準法 防火規制(防火・準防火地域)、高さ制限、外壁後退距離など
外壁材 種類(窯業系サイディング、金属系、ALC、モルタルなど)とその耐用年数
下地・構造 通気層、断熱材、胴縁の配置、構造耐力壁との関係性
雨仕舞い 開口部(窓・扉)周り、笠木、庇の水返し・水切り構造
メンテナンス 将来的な足場設置可否、塗装・張替え時のアクセス性
コスト 材料費+施工費+長期保全費を含むライフサイクルコスト

✅ 設計が不十分なときに起きやすいトラブル例

トラブル 原因 対策
雨漏り 雨仕舞い設計の甘さ 窓まわり、笠木の詳細設計を入念に
塗膜の剥がれ 下地不良 or 塗料選定ミス 素材に合った下処理と塗料の採用
結露 通気層・断熱の不備 通気構法+適正断熱材の設計
劣化の早期進行 シーリング材の耐久性不足 高耐久の材料選定と打ち替え設計

✅ 今注目されている外壁設計のトレンド

  • 高耐久塗料(無機塗料・光触媒)の採用増加

  • カバー工法(既存外壁の上から新素材を張る)による短工期対応

  • 地震対策としての**軽量外壁(ガルバリウム鋼板など)**の選択

  • 地域産木材・再生素材などSDGsを意識した外壁素材

🏡 美観+環境配慮の両立が、今後のスタンダードになりつつあります。


✅ 外壁の設計は、建物の未来を左右する“最初の選択”

外壁は、建物の「印象」を決め、住まいの「寿命」に直結し、暮らしの「快適さ」を支える重要な要素です。

だからこそ、設計段階で次のことを意識する必要があります

✅ 何年使いたいのか(耐久性)
✅ どんな外観にしたいのか(意匠性)
✅ どのくらいの手間で保てるか(メンテナンス性)
✅ 法令・気候・立地条件に合っているか(機能性・安全性)

外壁工事は「直す」ことよりも、「最初に正しく設計する」ことが最大のコストダウンにつながります。

 

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seitenNEWS~確認事項~

皆さんこんにちは!

seitenの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~確認事項~

ということで、外壁工事における事前確認事項のポイントを、現場目線で深く解説します。

 

「見た目」だけでなく「長持ち」に関わる最重要ステップ

外壁工事と聞くと、「建物の見た目をきれいにするリフォーム」と思われがちですが、
実際には雨風から建物を守る重要なメンテナンス工事でもあります。

そんな外壁工事を成功させるために、最も大切なのが工事に入る前の“事前確認”


✅ なぜ「事前確認」が重要なのか?

外壁工事は、施工後に不具合が出るとやり直しが難しく、コストも高額になります。
そのため、着工前に現状を正確に把握し、適切な計画を立てることがトラブル防止の鍵になります。


✅ 外壁工事の事前確認事項【6つの視点でチェック】


① 建物の状態調査(現地調査)

  • ひび割れ(クラック)や塗膜の剥がれの有無

  • サイディングの反り・浮き・コーキングの劣化状況

  • チョーキング現象(壁を手で触ると白い粉が付く)

  • カビ・藻・雨染みの発生箇所

🔍 目視・打診・触診による詳細な点検が必要。
写真撮影・報告書の作成もこの段階で行います。


② 外壁材・構造の確認

  • モルタル/窯業系サイディング/ALCパネル/金属サイディングなど

  • 外壁の種類により適切な下地処理や塗料の種類が異なる

  • 築年数や構造(木造・RC・鉄骨)によっても施工内容が変わる

🔧「素材に合わない塗装」は、密着不良や早期劣化の原因になります。


③ 足場・作業環境の確認

  • 足場が設置できるだけのスペースと安全な地面があるか

  • 隣接する建物・フェンス・植栽の状況

  • 高所作業の有無、高所作業車の導入要否

🚧 足場設置の可否で工法が変わることもあるため、早い段階で敷地状況を確認しておくことが重要です。


④ 使用材料・工法の確認

  • 塗料の種類(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機など)

  • 張り替え or 重ね張り(カバー工法)の選定

  • コーキング材のグレード(耐久性・伸縮性)

  • メーカー保証の有無・施工基準の遵守

🎨 特に「色」については、現物サンプルを用いた打ち合わせや試し塗りの提案が推奨されます。


⑤ 工程とスケジュールの確認

  • 工期の目安(天候にも左右される)

  • 居住者・近隣への告知と調整(騒音・臭気への配慮)

  • 洗浄 → 下地処理 → 塗装 → 検査 → 足場解体 の工程確認

📆 例えば、「引っ越し前」「雨季を避けたい」など、施主の都合とのすり合わせも非常に重要です。


⑥ 安全対策と保険の確認

  • 墜落・飛散防止対策の事前確認

  • 塗料飛散や高圧洗浄の養生計画

  • 工事保険(請負業者賠償責任保険など)の加入確認

  • 万が一の損傷や事故に備えた連絡体制の構築

⚠️ 工事中の破損トラブル(車・植木・隣家の壁など)を防ぐためにも、施工前に周辺確認と写真記録を行っておくと安心です。


✅ よくあるトラブル事例と、その予防策

トラブル 原因 予防策
工事後すぐに塗膜が剥がれた 下地処理不足、塗料の選定ミス 現地調査と適正塗料の選定
足場が組めなかった 敷地確認不足 事前の敷地・境界チェック
近隣から苦情が出た 騒音・塗料の臭いなどの配慮不足 事前挨拶と工程表の周知
雨漏りが発生 コーキングの施工不良 打ち替え範囲の明確化と熟練技術者の選定

✅外壁工事の8割は「工事前」に決まる

外壁工事は、仕上がりの美しさはもちろんですが、
「どれだけ長持ちするか」「どれだけトラブルを防げるか」が本当の価値です。

そのためには

  • 建物を正しく診断し

  • 適切な材料と工法を選び

  • 周囲や居住者に配慮しながら

  • 安全で確実な施工環境を整える

という一連の“見えない段取り”=事前確認が欠かせません。

 

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