seitenNEWS~設計~

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皆さんこんにちは!

seitenの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計~

ということで、外壁工事における設計の視点とポイントを、実務的に深掘りして解説します。

 

耐久・快適・景観を守る“建物の顔”づくり

外壁工事は、「外観を美しく整える」だけではなく、
建物を雨風・紫外線・気温差などから守る防御の最前線です。

そのため、外壁に関する設計は単なるデザインや仕上げの選定にとどまらず、
機能性・施工性・耐用年数・法令適合性など多くの要素を総合的に検討する必要があります。


✅ 外壁工事における「設計」とは?

建築物の外壁に関する設計とは、以下のような要素を組み合わせて最適な仕様を決定する作業です

設計要素 内容
意匠設計 色・素材・質感・目地などの見た目(美観)設計
構造設計 外壁の強度や風圧・地震への耐力計算
施工設計 取り付け方法・接合部の処理・水切り構造の詳細設計
材料選定 使用する外壁材の種類と性能(断熱性・防火性など)
維持管理設計 メンテナンス性・更新しやすさも考慮
法規適合設計 建築基準法・地域条例・防火地域の規制への適合

✅ 外壁設計で最も重視すべき3つの視点

① 【耐久性】長持ちする素材・工法の選定

  • 雨風や紫外線に常時さらされる外壁は、耐候性・防水性・通気性のバランスが重要

  • サイディングならシーリング材の耐久年数にも注意

  • 塗装仕上げなら、下地処理+適切な塗料の選定(アクリル・シリコン・フッ素・無機など)

📌 長期的な視点で「何年後に再塗装が必要か」「どこが劣化しやすいか」を予測して設計に反映します。


② 【機能性】断熱・遮音・通気性能も設計対象

  • 外壁材には、断熱材の併用・通気層の設計などによって省エネ性能を高める役割も

  • 内部結露を防ぐ「通気構法」は、構造計算とセットで計画する必要あり

  • 都市部では遮音性・防火性(準耐火構造)も重視されます

🧱 機能性が高い外壁設計は、居住快適性・省エネ性・資産価値に大きく関わります。


③ 【意匠性】景観と調和する美しい外観設計

  • 建物の用途や地域の景観に合わせた色彩・質感の選定

  • 外壁の凹凸や素材の切り替えによる立体感・高級感の演出

  • 窓周り・コーナー・バルコニーのディテール設計が印象を左右

🏠 外壁は「建物の顔」。設計段階から“どんな印象を与えたいか”を意識することで、満足度の高い仕上がりになります。


✅ 設計段階での確認・検討項目チェックリスト

項目 チェック内容
建築基準法 防火規制(防火・準防火地域)、高さ制限、外壁後退距離など
外壁材 種類(窯業系サイディング、金属系、ALC、モルタルなど)とその耐用年数
下地・構造 通気層、断熱材、胴縁の配置、構造耐力壁との関係性
雨仕舞い 開口部(窓・扉)周り、笠木、庇の水返し・水切り構造
メンテナンス 将来的な足場設置可否、塗装・張替え時のアクセス性
コスト 材料費+施工費+長期保全費を含むライフサイクルコスト

✅ 設計が不十分なときに起きやすいトラブル例

トラブル 原因 対策
雨漏り 雨仕舞い設計の甘さ 窓まわり、笠木の詳細設計を入念に
塗膜の剥がれ 下地不良 or 塗料選定ミス 素材に合った下処理と塗料の採用
結露 通気層・断熱の不備 通気構法+適正断熱材の設計
劣化の早期進行 シーリング材の耐久性不足 高耐久の材料選定と打ち替え設計

✅ 今注目されている外壁設計のトレンド

  • 高耐久塗料(無機塗料・光触媒)の採用増加

  • カバー工法(既存外壁の上から新素材を張る)による短工期対応

  • 地震対策としての**軽量外壁(ガルバリウム鋼板など)**の選択

  • 地域産木材・再生素材などSDGsを意識した外壁素材

🏡 美観+環境配慮の両立が、今後のスタンダードになりつつあります。


✅ 外壁の設計は、建物の未来を左右する“最初の選択”

外壁は、建物の「印象」を決め、住まいの「寿命」に直結し、暮らしの「快適さ」を支える重要な要素です。

だからこそ、設計段階で次のことを意識する必要があります

✅ 何年使いたいのか(耐久性)
✅ どんな外観にしたいのか(意匠性)
✅ どのくらいの手間で保てるか(メンテナンス性)
✅ 法令・気候・立地条件に合っているか(機能性・安全性)

外壁工事は「直す」ことよりも、「最初に正しく設計する」ことが最大のコストダウンにつながります。

 

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